以前ご紹介した、現場で働く、保育士の皆さんの大変な状況が、少し改善されそうです。
先日、2017年2月27日に衆議院で、平成29年度予算が可決され、保育士の皆さんの経済状況が少し改善されそうです。
今回の予算案では、福祉分野の強化が目玉の一つで、
ということを盛り込んだ内容になっています。
具体的には、
- 保育士等の給与を約二%引き上げる
- 技能や経験に応じて賃金をそれぞれ四万円、五千円とさらに上乗せ
といった施策を行うための予算を盛り込んでいます。
保育園の施設を増やしても、現場で働く保育士の人数が足りないという状況が続いています。
保育士さんから、勤続20年でも手取り15万円などの切実な声
などという現実があり、「給与等の待遇条件を改善すれば、保育士となる人材が増える」という仮説をもとに、今回の予算案が組みあがっています。
しかし、上の勤続20年の人が、2%昇給して+4万円となっても、手取り約20万円。
国税庁がまとめている「民間給与実態統計調査」によれば、
勤続20年の会社員の場合、平均年収は581万円(月48万円)。
今回の対策を行なっても、保育士の皆さんの給与は、一般会社員の半分以下となっています。
事業会社と保育園とでは、事業規模や経済生産性が違うので、単純に比較はできません。しかし、保育園も、一つの事業組織としてみるならば、生産性をあげないと、スタッフの方の人件費を増やせない、というのは明らかです。「賃金引き上げ」 する一方で、他の対策も必要だと感じています。
仕事は給与が全てではないと思いますが、継続して働くには、経済状況というのも大切な要因で、本人負担などの犠牲が多いと、仕事を続けたくても続けられない、ということになってしまいます。
なにはともあれ、この予算が施行が始まり、目論見通りに効果が出ることを祈ります。
平成29年度予算を審議した衆議院の議事録がコチラ↓
第193回国会 本会議 第7号(平成29年2月27日(月曜日))
以前ご紹介した、現場で働く、保育士の皆さんの大変な状況はコチラ↓